こんにちは、私は災害対策アプリを作っているおかゆと申します。普段から地震に向き合っているのですが、今回は奇妙な事象が起きたので、これについて解説しようと思います。
起きたこと
11月26日22時47分、石川県西方沖を震源とするMj6.6の地震が起きました。近畿から関東の広い地域で揺れが観測されています。
そして、その約2分前の22時45分頃に大阪府北部を震源とする小さな地震が発生しています。
この2つの地震で、問題が発生しました。
大阪府北部の地震に対して震源・震度の情報を出した後、福井県嶺南、滋賀県北部で震度3という震度速報を出してしまったのです。
原因
気象庁によると…
石川県西方沖の地震と直前に起きた大阪北部地震 データ混在したワケを気象庁に聞く – Yahoo!ニュース
こちらの記事にて、気象庁からの回答がありました。
このあたりの背景を気象庁の担当者に聞きました。それによりますと、10時48分の滋賀・福井の「震度速報」は、実際は石川県沖の地震により観測されたとみられます。
ただ、データを自動処理するなかで、直前の時間帯に起きていた大阪の地震に”矛盾がない”などとして自動で紐づき、関連情報として取り込まれたとみられる、という理由でした。
つまり、これはシステムが大阪府北部の地震に能登の地震の震度情報を紐づけてしまった、ということが原因なのです。
ここで誤解してほしくないのが、大阪府北部の地震と能登の地震の発生には直接的な関係はありません。
起こり得なくない?
そもそも震度速報は、震源情報が発表される前に、即時に地域ごとの最大震度を発表するもので、通常、地震発生後約1分半で発表されます。
今回の場合、震源・震度の情報発表後に震度速報が出ています。本来、これは意図されていない挙動です。
つまり、これは「バグ」なのです。バグならしょうがない、と言いたいところですが、これで国民が混乱してしまっては、大変なことになります。
アプリで求められることは?
今回のバグは、気象庁のシステム上で起こったのですが、こういう場合にはアプリ側でも対策が必要です。
なぜなら、ユーザーが見るのは「気象庁のシステム」ではなく「アプリ」なのですから。
そして今回の震度速報の誤報により、「滋賀・福井で強い揺れを観測する地震がありました」のような通知が表示されてしまったアプリもあったでしょう。ですがこれは実際とは少し違います。
対策の方法としては、例えば、震源の情報が分かっている場合には後発の震度速報を無視する、などが挙げられます。
ちなみに、震源の情報が上書きされることはあります(顕著な地震の震源要素更新のお知らせ等)し、震度速報の情報が更新されることもあります(震度速報の続報)。
まとめ
- 今回の大阪府北部の地震で震度速報が発表されたのはバグである
- 大阪府北部の地震と能登の地震の発生には関係はない。
- アプリ側でもバグ対策を考える必要がある
今後、私のアプリでも対策を行っていきたいと思いました。
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